2025年9月16日
親知らずは20歳前後に生えてくる最後の永久歯です。上下左右あわせて4本生えることもあれば、まったく生えない人もいます。
「親知らずは必ず抜くもの」と思っている方もいれば、「できれば残したい」と考える方も多いでしょう。実際のところ、親知らずはケースによって“抜いた方がよい場合”と“残して問題ない場合”があります。
今回は、親知らずを抜くべきかどうかを判断するためのポイントを解説します。
親知らずを抜いた方がよいケース
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斜めや横向きに生えている場合
歯が正しく噛み合わず、隣の歯を押すことで歯並びの乱れや痛みを引き起こすことがあります。 -
歯ぐきの腫れや炎症を繰り返す場合
親知らずの周囲は汚れがたまりやすく、智歯周囲炎と呼ばれる炎症が繰り返されることがあります。放置すると腫れや発熱を伴うことも。 -
むし歯や歯周病のリスクが高い場合
奥にあるため歯ブラシが届きにくく、むし歯や歯周病になりやすいのが特徴です。特に隣の歯までむし歯にしてしまうケースは要注意です。 -
矯正治療やインプラント治療を予定している場合
歯並びや咬み合わせに影響するため、治療の妨げになる親知らずは抜歯を検討することが多いです。
親知らずを残してもよいケース
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まっすぐ正常に生えていて噛み合っている場合
しっかり機能している場合は、他の歯と同様に残す価値があります。 -
完全に骨や歯ぐきに埋まっており、症状がない場合
埋伏していても問題が起きていなければ、そのまま経過観察とすることもあります。 -
将来の移植用として利用できる可能性がある場合
親知らずを他の部位に移植する「自家歯牙移植」に利用できることがあります。
親知らずを放置するとどうなる?
「今は痛くないから大丈夫」と放置すると、ある日突然激しい痛みや腫れが出ることもあります。特に下の親知らずは神経や血管に近いため、抜歯が複雑になりやすい傾向があります。早めにレントゲンを撮り、状態を確認しておくことが大切です。
まとめ
親知らずを抜くかどうかは「生え方」「周囲の歯への影響」「清掃のしやすさ」「今後の治療計画」によって判断されます。
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問題を起こすリスクが高い親知らず → 抜歯を検討
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問題がなく機能している親知らず → 残してもよい
親知らずは一人ひとり生え方やリスクが異なります。迷ったときは自己判断せず、ぜひご相談ください。